肌悩みを解決する理論

敏感肌ケア最前線!炎症老化について

敏感肌専門スキンセラピストよーこです。

「炎症老化」って聞いたことありますか?
今、敏感肌の対策として最先端の考え方だと考えています。

敏感肌のケアには「無添加」「オーガニック」「セラミドケア」などこれまでもたくさん進化を遂げてきました。

そこで、今回は今注目されている敏感肌の対策を解説します。

そもそも炎症老化とは何か

理系出身でもない限り、バイオテクノロジーとか皮膚科学というのは縁の遠い話です。特に美容マニアでもなく、普通に生活していたら、科学的なことを論理的に考えるよりも感覚的な表現を使うケースが多いと思います。

例えば、「毛穴から汗が吹き出る」というのはものすごく暑そうだと伝わりますが、皮膚科学からすれば「汗は汗腺から出るもの」です。でも音だけで「かんせん」と聞くと、専門家でない場合には「感染」と思い浮かべるかもしれません。(実際、私の家族はテレビの専門家にツッコミを入れてました)

また、「えんしょう老化」と耳だけで聞くと、「インショウ老化」と間違えるかもしれませんね。印象老化はパッと見の印象がなんだか老けて見えることです。

 

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このような言葉の使われ方に左右されずに、科学的なことを整理して、日常的なスキンケアに落とし込むことが、敏感肌から脱却し将来にわたって健康肌をキープするためには大事な考えになります。

炎症老化とは「細胞レベルの炎症」のことです。体を構成する無数の細胞は常に「酸化ストレス」にさらされていて、老化していきます。

酸化ストレスを受け続けて弱った細胞からも炎症シグナルが放出されていることがわかってきています。この図の中で言えば、四角が肌の細胞です。このように1つ1つの細胞から炎症シグナルが放出されることで肌の内部は大混乱をしているのです。

若い時には化粧品でケアできる実感があったのに、40代以降になるとそうもいかなくなるのは、無数の細胞からも炎症が連鎖しており、スキンケアだけでは追いつかいな状態になっているのです。

だから、細胞レベルの炎症の連鎖反応を抑制することが、敏感肌ケアからエイジングケアまで一貫して重要なのです。

簡単に言えば、「肌の健康を取り戻す」とか「本来の肌機能に整える」となります。要は、炎症老化ケアをせずに、他のいろいろなことをいくら行っても、1番影響がある問題が解決できていないために、効果が薄いということですね。

20代ではスキンケアを試して、40代には食事改善やサプリメントなどのインナーケア。50代になれば、ヨガなどの運動を取り入れる、という流れが一般的ですが、どんどん進行する炎症老化を無視していてはせっかくの努力が報われないということも起こってきます。

では、炎症老化ケアをするとどんなことになるでしょうか?

正直、そんな難しいことよりも、「毛穴の詰まりを今すぐ取りたい」とか「シワやたるみが目に見えて良くなることを知りたい」というのが本音でしょうか。

この気持ちはとてもよくわかります。しかし、人生100年時代と言われる現代において、今すぐになんとかする考え方と同時に、将来に渡って効果を発揮する方法を知っておくことに大きな価値があると私は思っています。

炎症老化ケアを取り入れるとどうなるのか?

一言でいうと「現在の肌悩みを繰り返さなくなり、将来のトラブルを予防できる」ということです。炎症老化について簡単に話していますが、これはスキンケア業界の闇深き部分を知ってしまう入り口にもなります。

例えば「ニキビケア」

ニキビの原因は毛穴が詰まることから始まりますよね。詰まるのは皮脂だから皮脂分泌を抑制することが対策であると考えられています。

しかし別の面から見れば皮脂は乾燥を防ぐ大切な体の機能です。皮脂が出るから乾燥によるシワができない状態が作れるのに、皮脂抑制をしてしまうと、将来にはシワっぽい肌になる可能性があるワケです。

他にも「シミケア」

シミの元であるメラニンの活性により肌に色むらができます。これをレーザーやピーリングなどでのケアが思い浮かべられます。

しかし、皮膚科学では紫外線だけではなく、「刺激」そのものがメラノサイトを活性化するということがわかっています。レーザーなどの刺激で一時的に代謝が活性化して色素がなくなってもまた、刺激を受けた細胞はメラニンを作り出すということになります。

さらには「セラミドケア」

乾燥性敏感肌はバリア機能が低下しているから、バリア機能において1番大事な「セラミド」という成分を化粧品で補いましょう。という対策があります。

しかし、バリア機能について詳細を見ていけば、セラミドは細胞間脂質の構成要素の1つにしかすぎません。セラミドばかりを補っても一時的には良いかもしれませんが、肌全体で見ると弱い肌になってしまうというのが私の考えです。

このように今、「普通、こうだよね」という常識をベースに考えていては、新しいひらめきは得られません。私自身、アトピー体質でもなく、アレルギーなどもなかったのに20年ほど肌荒れを繰り返してきました。

常識をベースに考えるのはやめて、皮膚について最初から学び、根本改善につながる「炎症老化ケア」を実践しました。そうすると自分の肌だけでなく、他の人の肌も理解することになります。このようなメタ的な見方ができることで、肌荒れを繰り返すことがなくなりました。

なぜ炎症老化ケアが重要なのか

ここまで読んで、「炎症老化ケア」が肌トラブルを繰り返さないために有効だということはわかった。でもそれって、今すぐに必要なの?」と思う方も多いでしょう。

それよりも、ハーブピーリングや再生医療のようなトレンドになるものを取り入れる方が有意義なのではないか、という気持ちはとてもわかります。

しかし、私個人としては「今の時代は、地道にケアする土台を求める方」からの要望を見逃しているのでは?と思います。

それはなぜかというと・・・。

ハーブピーリングをサロンで提供している方が、私のセミナーで「お客様はハーブピーリングサロンに肌相談を持ちかけている」と教えてくださいました。

お客様はハーブピーリングをしたくてサロンに行くだけではなく、そこで肌相談をしたいと感じているのです。

その時に、ただメーカーに言われたマニュアル通りの方法を提供するのではなく、これまで抱えてきた肌への不安や困りごとを伺って、肌悩みから本当に解放されて思い切り人生を楽しめる方向に導くことができたら。

炎症老化ケアを知ることで、このような理想の関係性をより精度高く実現することが可能になるのです。

炎症老化ケアを取り入れるなら専門家と一緒に

ここまでで、炎症老化ケアが重要なワケというのはなんとなくわかっていただけたかと思います。

しかし、「炎症老化と聞くと、敏感肌の話で肌が丈夫な人やもっとキレイになりたいと思う人には関係ないのでは?」という気持ちが残っているのではないでしょうか?

実は、美容マニアの中では「炎症老化」というちょっと難解な話も取り上げられています。というのは、コスメの最先端ではブームになるほどのことだからです。

しかし、私が思うに、美容マニアな人よりも、エステサロンに通ってみたいという意識を持った方にこそ、炎症老化ケアは喜ばれることだし、役に立つものだと思っています。

せっかく良い研究も、上手に活用できなければ成果にはつながりません。個別のケースに応じてしっかりと活用できるのが専門家と一緒に進めることです。私も一般の方向けにイベントなどを通してお伝えしておりますし、仲間のセラピストが日々、活動をしてくれております。

 

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最後に

最後に、ここからは「エステティシャンこそ、炎症老化ケアを知っていた方が良い」という理由をお伝えさせてください。

エステサロンに来る人はどんな人?

「炎症老化ケア」は大事!と言いながらも、私はすべての人に必要だ!とは思っていません。こんなにいろいろな方法が提案されているのは、生活スタイルや価値観が多様化しているからです。

そう考えると、エステサロンに通う人は、私が考える炎症老化ケアをものすごく喜んでくださると思っています。

ここまでお話しをしてきたように、「自分では解決できないから相談したい」という方がエステサロンに集まってきます。情報だけならスマホでなんでも得られる時代です。簡単に得られる情報で満足できる人には必要がないかもしれません。

また、エステサロンに来る方は肌のことだけではなく、美容と健康のあらゆる心配を抱えていることが多いものです。最近では心の健康も注目されていますよね。美容を根本から考えていけば、見た目を良くするだけではなく、心が満たされることや安心感なども美容から得られるとわかります。

将来にわたる健康美への不安を抱える人にとって、エステサロンはなんでも気軽に相談できる場所です。

  • 思春期に起こるニキビについて
  • 生理不順によるプチ不調について
  • 子育て中の時短スキンケアについて
  • 40歳から感じる「あれ?いつものケアで成果でない!」について
  • 更年期に差し掛かる時の気持ちについて
  • スリムになりたいけど運動にする?食事改善?

まだまだあるちょっとした健康美のことをエステサロンに行ったときに何気なく話をしながら、身体のバランスを整え、元気になってまた日々を頑張ることができます。

そのような時に、エステティシャンが炎症老化ケアを知らないでいると、どこかでつまずくことが発生します。私は20年もの間、ずっとダイエットしたかったし、肌荒れから解放したかったけど、あきらめてしまう時がありました。

それは成果が出なくなる時です。何をやってもダメだ・・・。そんな気持ちが襲ってくる壁がやってくるのです。

私が考える限りでは、「肌のケアをする脳」と「ダイエットする脳」と「健康でいたい脳」をバラバラにして、解決しようとしていることが問題だと思っています。

炎症という言葉は、肌だけではなくいろいろなところにも使われます。

腱鞘炎であれば骨格筋、胃腸炎であれば消化器系、肺炎であれば呼吸器系。

あらゆる場面に炎症老化があります。

たかがスキンケア、たかが化粧品と思うかもしれませんが、長い目で見るほどに大きな影響を私たちに与えているのが「肌」です。

身体のしくみを全体で考えるケアをするのがエステティックです。美容医療でのケアはちょっと・・・と考える時点で、似た価値観を持っていると思います。

そのような方にこそ、炎症老化ケアを体験し、その価値を知ってほしいと願っております。