敏感肌の保湿にはセラミドが良いと言われます。
セラミドにもいろいろあるから順番に試す?
そもそもセラミドは自分で作れるってことも忘れずに。
フェイシャルケア歴20年。「肌は何度でもよみがえる」をモットーにお肌悩みを解決してます。
さて、今回は敏感肌なら一度は通る道。
皮膚科で紹介されたり、冬になれば敏感肌には!セラミドって広告もたくさん。きっとお試しされた方もいるはず。それなのに、なかなか肌が上向かずに年齢と共にシワが気になっているとしたら、ぜひ今回の記事をご覧ください。実は、私も長くセラミドケアをしてきたのですが、使い分けが必要だとわかりました。
今回はずっとセラミドケアをしてきたけど、ものたりないなと感じるのはどうして?という方向けに書いていきます。
セラミドが敏感向けと言われる理由
そもそもどうして敏感肌にはセラミドケアが勧められるのかということですが、単純に、セラミドが肌を構成してる成分で、とても重要な役割を担ってるからです。
私たちが触れる「皮膚」
その表面にはたった0.02mmの薄い層があります。
これが角質層といわれる部分で、
肌のキレイさを左右する場所。
さらに健康面でも、
外から異物が入らないように防波堤になってる場所です。
このとても薄い層を中心に「セラミド」はあります。
肌細胞(ケラチン)
お肌の水分(天然保湿因子、アミノ酸など)
お肌の脂分(細胞間脂質、セラミドなど)
敏感肌の場合、この角質層のセラミドが不足してるため、お化粧品で補うケアをしよう!ということです。
セラミドは水分の蒸散を防ぐ役割があるので、それが満たされれば皮膚の新陳代謝で多くの場合、あとは自然と正常化していきます。
だから、敏感肌にはセラミドは不可欠なものです。
でも、ちょっと待って!?
セラミド「だけ」足りないの?ホントに?
そう思った方はかなり美肌脳ですね。
お気づきの通り敏感肌はセラミドだけ足りないのではなく、他にもいろいろ足りません。細胞の成熟度が低く、弱々しいのです。
次はセラミドケアの落とし穴について見ていきましょう。
セラミドだけでは立ち行かなくなる
ここから先のことは特にこの先も体の機能を高めて、敏感肌から解放されて、生き生きと過ごしたい方にお届けしたいことです。
皮膚の成長メカニズムの中で
もうひとつ気づいてほしいのは
「セラミド」は体から自然に生まれてくるものだということです。
ハッキリ言ってしまえば、
唾液とおんなじ。自然にでます。
特別なものではなく、全員の体に必ずあるのです。
論文とか化学式とにらめっこばかりしてると体の機能面から離れてしまうことがあります。
私がそれに気づいたのは、
「皮膚は考える」の著者であり皮膚科学者の傳田光博先生の本を読んでからです。
セラミドが足りないのか、
アミノ酸が足りないのか、
その論争自体が虚しい。
皮膚は考えているのだから。
【皮膚は考える(岩波科学ライブラリー112)2005年 傳田光博著】
足りないから補うというケアは、もしかすると、体の機能を甘やかしているかもしれません。
運動をしなくなれば筋肉が減るのも当然ですよね。
使わない機能はどんどん衰えていきます。
衰えるというのは老化減少です。
敏感肌だからといって、肌を守るだけのケアを続けていては、どんどん機能を老化させてしまいます。私の経験から言えば、見た目には化粧品でケアしているので老化しているとは見えませんが、機能面としては衰えがはじまっていました。そして、30代後半にはハリや弾力が戻らなくなっていきました。
今まで良かったケアも、年齢が重なるとレベルを上げなければならない。という現実でした。でも、30代後半ですよ?
こんな若くして老化現象を受け入れるのはまだ早くないですか??
だから、セラミドケアは卒業を目指しましょう。
敏感な時には足りないから使用するのは一時的には良いです。
それをきっかけに正常な肌が整えばOKです。
大切なのはその後。
その時の肌の調子が良いからと、それにずっと頼ってはダメで、時々なくても大丈夫か、確認してほしいのです。
・皮脂はでるの?
・洗顔後のツッパリ感は?
・少しの乾燥でムズムズしない?
・季節の変わり目に肌が不安定にならない?
・ちょっとした睡眠不足やストレスくらいは許容できる?
セラミドケアをしていて、上向かない場合にはもっと根本的なケアをすることが大切です。
年齢だからしかたないということはありませんよ。
私の場合は30代後半でしたが、50〜60代の方の場合には女性ホルモンの減少が起こるためにより、仕方ないと思いがち。
そんな方でも上向くことは可能です。ここからはお肌の整え方をご紹介します。
敏感肌の肌土台の整え方
ではセラミドケアをして安定したときに、何をするべきなのか。ということを順番にご紹介します。
最短で、敏感肌から卒業したいと本気で思った方はぜひ、実践して肌の機能をどんどん使えるようになりましょう!
育てたセラミドを保持する
何度も確認しますが、「セラミド」は自分で作ることができます。だから足りないからといって「補う」ばかりではいけないというのが私の考えです。
作られたセラミドを「保持」しましょう。
肌のセラミドが失われる瞬間は「洗顔」です。
洗いすぎると肌の水分や油分が失われる
というのはよく聞きますよね。
この「油分」の中には皮脂と細胞間脂質が含まれます。
細胞間脂質の主成分が「セラミド」です。
洗うというスキンケアには「摩擦」「小さな炎症」が隠れています。
まずは触れ方を優しくしましょう。触れ方をご紹介しています。

どんなにセラミドを補っても、結局ターンオーバーで代謝されていきます。
表面にあるセラミドほど、洗い流されていきます。
肌の内部で作られているセラミドを大切にしましょうね!
セラミドを生み出すスイッチ
セラミドを生み出すためには肌のターンオーバーが正常であることが大切です。肌細胞を生み出しているところから時間をかけてじわじわと成長していく過程でセラミドは生まれます。
肌細胞が生まれた時にはまだリン脂質が多め。そこから様々な酵素が反応してセラミドの赤ちゃんができる、さらに酵素が反応して、細胞外に放出されて、細胞と細胞を繋ぎ止めるようになる。
また、このセラミドが細胞に定着するための「CE成分」の存在は重要です。肌が成熟してくると細胞膜の周りに作られ始めます。この成分が生まれるためにも酵素が働いています。
このようにセラミドは自分自身で作れるけれども、生み出すための反応がしっかりとできることが条件になるわけです。
実は、敏感肌で炎症や赤みを繰り返していると、この酵素反応が乱れており、セラミドが生まれにくい状況になります。
刺激によって作られる物質は抑えて、バリア機能が作られるための物質が作られるようにしていく。これが肌土台を整えるための方法です。
保湿の種類について
肌土台を整えていくための方法は「保湿」です。この保湿にもざっくり大きく分けて3つに分類してみました。製品になった時にはこれらにパッキリと別れるわけではなく2つの要素が含まれていたり、そのバランスが違ったりしています。
順番に紹介しますので、今、必要な保湿をする目安にしてください。
1)保護膜を形成する保湿
肌の表面に「膜」を作る保湿です。皮膚は環境が整えば自然と育っていきます。「洗う」スキンケアでその育った肌を傷つけていない条件が整っていて、そのチカラがあればこの「膜」を形成するだけで美肌再生が起こります。
ただ、自然と育つチカラ(代謝が高い状態)があればということです。
具体的には新陳代謝が高い世代、胃腸の調子が良く元気な状態です。
日々の食生活が肌に影響するかどうかはこの辺りで見極めることができます。
この保護膜形成の保湿のみで、潤いや滑らかさがキープできるかどうかのチェックは体の健康チェックにもつながります。
2)バリア機能を構成する成分を「補う」保湿
これは今回のテーマ「セラミドケア」も含む保湿です。他にアミノ酸もこれと同じ。セラミドにもたくさん種類がありますし、アミノ酸も肌に存在するものとそうでないものとあったり、組み合わせなどもあるから本当にざっくりだけど、激しい乾燥があるときにはとても優秀な保湿となります。
ただ、冒頭から申し上げているように、一時的な使用を私はオススメしています。セラミドもアミノ酸も自分で作れるかどうかをしっかりと観察することの方がメリットが大きいから。
最大のメリットは年齢を重ねても自分の肌が機能的であること。シワは○歳になれば仕方がないって思いがちだけど、本当にそんなことはありません。
60代半ばでもシワがストップしていきます。
それがお肌です。乾燥して硬くなるからシワになるだけ。
今日も肌は生まれ変わっているから大切に育てて補うケアは卒業しましょう。
3)お肌の代謝を高める保湿
お肌の表面に乗せると、お肌が反応して代謝が高まるということが起こります。これは不思議なことはなくて、肌が環境に適用しているからなんです。少し前に話題になった幹細胞成分やプラセンタ、ビタミン類、発酵系の成分、植物エキスなどいろいろな成分があります。
ヨーロッパではシワ改善の医薬品があるくらいのものもあります。日本の化粧品になる時点で、そのような成分は規制されてしまいます。お肌の代謝活性が起こせるということは肌に対しての影響力もあるということなので、それなりに反応があります。
作用があるということは反作用もあるのが人体ですからね。
ほしい作用だけで反作用(副作用)がないというのは稀です。
ターンオーバーを早めるというのも作用で、
反作用としては成長しきれない
未熟な細胞ばかりになる場合があります。
バリア機能が低下してしまうんですね。
この場合は成長するための酵素反応が弱いケースが考えられます。
細胞が成長する時に酵素反応が起こっています。
セラミドが生まれるのもこの反応があってこそです。
セラミドはスフィンゴ脂質の一種でスフィンゴミエリンというリン脂質の一種から生まれます。この変化にも酵素が反応するんですよ!(しつこいですが)
敏感肌で炎症を繰り返し、炎症性の物質ばかりを作り出している肌はこの成長のための酵素を生み出すことができなくなっています。
そのときにこの保湿を加えて上げると、思い出したかのように成長のスイッチが入るんです。
また、このセラミドになる前の成分を補うと、お肌の自らの力でそれをセラミドにしようと反応してくれます。
まさに肌トレーニングです。
敏感肌の保湿のコツ
これらの保湿の種類を踏まえて、敏感な状態から安定させるまでのステージを考えてみましょう。
初期段階:保護とセラミド
安定段階:保護と代謝アップ
調整段階:代謝アップ
詳しくは美肌再生フェイシャル塾の個別セッションで。
本当に今の状態に合わせて「試す」こと。それらの結果を踏まえて段階を引き上げていきましょう!
まとめ
ここまで読んでくださりありがとうございました。
敏感肌を安定させるためには化粧品のこと、皮膚のこと、食事のこと、運動のこと。。。
本当にあらゆることを結びつけて、本質的な方法を毎日の習慣にしていくことが大切です。
今回取り上げたセラミドは化粧品成分であり、皮膚を構成する物質だということがポイントです。
足りないから補う、という視点から自分で作れるならそれを失わないようにすること。
若いうちから体の機能を使うことを辞めてしまったら、将来はもっと老化してしまいます。
10年後も20年後もずっとキレイは肌をキープする方法は実は敏感な肌を安定させる方法と同じなんですよ!
本質的な方法で安心して毎日のスキンケアを習慣にしていきましょう!